私どもでは、東京都足立区、板橋区の2カ所、千葉市1カ所の計3カ所で設計等の業務を完了いたしました。
まず、足立の足立翔裕園では、ショートステイを含め170名の

お年寄りが住まわれる空間となることから、「充実した生活ゾーン」を基本コンセプトに致しました。具体的には、地域交流スペースを中心とした1階のゾーンを木調で統一し、和室も設けるなど落ちつきと潤いのあるコミュニティーエリアとし、ホーム内のお年寄りが広々としたスペースで地域の方々と楽しく過ごせるようになっております。
2階の痴呆デイサービスエリアも在宅サービスの利用者だけでなく入所者のフリーゾーンとして活用するため、1階と同様和室を設ける一方で、こちらは暖かく活気ある雰囲気を醸し出せるような内装に特に配慮いたしました。
さらに入浴は、お年寄りにとって最も楽しい生活を送るためのポイントですので、一般浴室は2カ所設けてゆったりとくつろげる工夫をし、特別浴室についても合計4台の寝たきり・車椅子兼用の機械浴槽を設置することにより、入浴ローテーションを容易にし入浴機会を増やせるように致しました。
次に板橋のケアポート板橋では、

「憩える水辺」をテーマとしております。本苑は、河岸に面した川音の聞こえる立地にあるため、居室からの景観を重視したばかりでなく、建物中央に位置する吹抜けにもブルーのグラデーション塗装を行い、更に2階部分をテラス風にして、各階から水辺に憩う情感をイメージしてみました。これは吹抜けを核とすることにより60〜70%を占める痴呆症のお年寄りが回廊を利用し運動する中で、なるべく爽やかな気分で日常生活を過ごせるようにとの配慮からです。
加えて本ホームでは、内装に関して充分なカラーコーディネートを行うため専門家の協力を受け、浴室やトイレ等のタイルに絵模様の入ったものを使用するなど「憩い」の演出に苦心しましたがかなり成功したと思います。
整備関係ではやはり浴室に特徴があり、一人一人入洛できる個別浴槽を配し、ADLの増進に貢献できるようになっております。
最後に千葉市のソレイユ千葉北ですが、こちらは「ソレイユ(仏語の太陽)」と言う名称

を掲げていることから、基本イメージとして特に採光とカラーに重点をおいた設計となっております。
各居室を始め管理系の部屋も含めて、一般的に暗くなりがちな中廊下にまで明るく暖かい雰囲気を醸し出せるよう外光の採り入れ等に配慮し、加えて内装に多彩なカラーを利用して一層開放的で安らぎを与える効果を生み出しております。